シリーズ:酒税法は楽し⑧ ~特例って何さ!~

 私は中小企業診断士なので、中小企業向けの施策には常に関心を持っています。法人税や贈与税、相続税には中小企業向けのお得な税制があるのは知っていましたが、今回の勉強を通じて酒税法にも中小事業者向けの税制があることを知りました。


 対象は、清酒、合成清酒、連続式蒸留しょうちゅう、単式蒸留しょうちゅう、ビール、果実酒、発泡酒です。それぞれの酒類について「前年度の移出数量が1,300kℓ以下」という条件を満たせば、当年度分200kℓまでを上限に、特例税率(本来よりも安い)の適用を受けることができます。


 清酒、連続式蒸留しょうちゅう、単式蒸留しょうちゅう、果実酒はもとの税率の80%。合成清酒、発泡酒は90%。ビールは85%です。ただし、これらのパーセンテージは原則なので、製造免許を受けた時期や製造時期等によって変わってきます。大企業よりもコスト上不利な中小酒類製造業者にとってはありがたい規定となっていますが、この計算をさせられる側としてはちょっと面倒くさいことが待っています。

 

 

それは・・・混和酒です・・・(出た~!)

 

 

 まず、「再移出控除適用酒類」については特例対象外となっています。たしかに、大手企業が移出した酒をそのまま中小製造業が再移出して「安くして~!」というのは虫が良すぎますからね。脱法っぽくなってしまいます。

 

 そうなると、再移出控除適用酒類とそれ以外の酒類を混和した場合には、特例適用の分と適用外の分に分ける必要が出てきます・・・もう面倒くさいので書きませんが、混和酒独特の面倒くさい計算をしなければならないということです。

 

 飲んでいる当人は全く意識しない話ですがね(笑)頼むからアレコレ混ぜないで~・・・。